金型(デザイン)設計
2Dで描かれたデザインを3D図面に起こすデザイン設計は、
金型の精度を左右する重要な工程だ。
デザイナーの思い描いたイメージを立体物に具現化するだけでなく、
コスト面まで見据えた上で実際に量産可能な形状に落とし込むためには、
長年の経験値と技術が必要とされる。
2Dで描かれたデザインを3D図面に起こすデザイン設計は、
金型の精度を左右する重要な工程だ。
デザイナーの思い描いたイメージを立体物に具現化するだけでなく、
コスト面まで見据えた上で実際に量産可能な形状に落とし込むためには、
長年の経験値と技術が必要とされる。
2D図面のみで金型を作る場合に比べて、3Dデータから使った金型は精度が格段に高くなる。また、金型は消耗品であるため、フレームの量産段階で何度も使用されるうちに型が消耗し割れてしまうこともある。しかし3Dデータがあることで何度でも全く同じものを作り直せると言うメリットも生まれる。
一見シンプルに見えるフレームだが、一体的な「かたまり感」を表現するために、通常は複数のパーツで作られる造形を一枚の無垢の板から削り出しているため難易度は高い。さらに、その「かたまり感」の中にあるラインと面の美しさを表現するために、細かい部分での面の繋がりが複雑なデザインにもなっている。切削とプレスの複合加工を必要とすることに加え、プレス型の強度を高めるために、実際の完成形には不要な余肉部分も意識して残しながらなめらかにつなぎ、¬デザインを具現化していく。
具体的に数値化できる仕事ではないので、やはり感覚が大事になってきます。そのためにはまず「自分で考える力」がすごく大事だと思います。私自身も失敗を重ねながら、現場からのフィードバックを蓄積して自分なりの感覚を磨いてきました。いずれこの仕事を後輩たちに引き継いでいくことになった時には、私のやり方をそのまま伝えることはもちろんできますが、それよりもやはりその人なりの感覚やセンスを育てていけるような伝え方ができたらと思っています。